映画「サクリファイス」、舞台「蝶」のこと

色々、とてもとても長くなると思います。


書き殴っています。話が二転三転、まとまりもないです。伝えたい意とは反した言葉選びをしているかもしれません。


でも、今書かずにはいられないのです。  映画「サクリファイス」の事、それを巡る様々なこと、舞台「蝶」のこと。  




  まず、「サクリファイス」無事SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2019での上映が終わりました。 どのくらいの人が来てくださるかな、と思っていた中で、日曜は300席がほぼ満席になるくらいの勢い、そして2回目も平日の午前に関わらず想像以上に沢山の方が会場を埋めて下さって、それだけで感激でした。  


来てくださった人、一人一人に「ありがとう」を伝えたいです。   


2回目の舞台挨拶、壷井監督の言葉を前にして、ああこの映画に関われてよかったと心底思いました。   




福島県出身の僕は、震災の時、自分は沿岸部の直接的な被災地ではなかったのですが、原発の影響もあり、埼玉の親戚の家に避難していました。   


正直、その時の記憶というのがショックからかとても曖昧です。何をしていたのか殆ど思い出せません。2.3日だったようにも、1か月だったようにも感じます。親に聞いたら、最初の方は部屋に閉じこもってたと言っていました。   


その時にも、色々なニュースや番組その他社会を見て「ああ、世界は他人事なんだな」と度々感じたのを覚えています。  


その中でやはり救われたのは、自分事として、寄り添ってくれた人々、動いてくれた人々です。   



その後、僕は個人のネットオークションで小さなキーケースを買いました。2千円くらいでした。それが、とても大きな段ボールで届いて、僕が支払った2千円どころではない、食べ物や日用品や色々な物資と、1枚の手紙が添えてあったのをいつまでも思い出してしまいます。  


「何も出来ませんが、」と。  


これ程までしてくれて、何も出来ませんが、と言える人の心というのはどれ程美しいものなんだろうと、泣いてしまったのを覚えています。


あの記憶は、この先もずっとなくならないんだと思います。





サクリファイス」は脚本を読んだ時、3.11東日本大震災をただの事象ではなく、ずっと奥深くに内包した、人間達の孤独に恐れず真正面から向き合った作品だと感じました。


被災地から遠い出身の壷井監督が、自分達以上に「自分事」としてあの出来事を考えて、痛みとして留めておいてくれている、そう感じ、これは絶対に出演したいと思ったのを覚えています。


そこでは、Récolte&Co.の、壷井さん、柗下さん、花さん(当時)を始め、他人の痛みを自分の痛みとして感じれる人達ばかりでした。  


簡単な事ではないです、他人の痛みを自分事に捉えるのは。  


痛みの閾値を高くしておけば傷付かずに済みます。楽ですから。鈍感であるというのは。想像力することを諦めるというのは。


ただ傷付き、苦しむのを分かりながらそれを諦めない人達は、強く、優しいです。限りなく。



その他、藤原さん、林さんをはじめとするスタッフのみなさん、同じシーンを過ごした柚くん、五味ちゃん、半ちゃん、をはじめとする共演者の皆さん(本当は皆の名前を挙げたいのだけれどごめんなさい)、エキストラの方々、篠崎監督をはじめ、サポートして下さった方々の、魂を込めた熱量の末、出来上がった作品だと思っています。   



この作品に関わった人皆が、僕は恥ずかしがらずに言うと大好きです。そして、その人達と創作出来たこの作品は宝物です。  


仲良しこよしでやってる訳じゃないと、監督は言っていましたが、その通りで。  


でも、仲間です、掛け替えのない戦友です。  しかしながら、やはり結局は孤独です、みんな。その輪を認めて、抱えながら、各々の場所で戦わなくてはいけないんだ、と。  


これから先、「サクリファイス」は映画館や海外でも上映されるべき作品だと信じてます。僕は幅広く受け入れられなくとも、幾人かの人生の歯車を動かしてしまう、そういう作品が好きです。


「映画で世界を変える」のは出来ると信じてます。ここでの「世界」というのは世界平和のような事ではなく、小さなたった1人の「世界」です。その歯車が1つ動けば、そこから連なる物語は全く別のものとなります。


それはまるでバタフライエフェクトのような。地球の裏側で「蝶」が起こした小さな羽ばたきが、反対側で台風となるように。


そしてこれは、そんな力のある作品です。また、上映決まった際は来て頂けたら嬉しいです☺︎    








そして、ここからそのソラリネ。#26 舞台「蝶」のお話です。  


正直、何を書こうともネタバレになってしまいそうでなかなか筆が進みません。笑  


ただ、1年前に初舞台を経験したのが、ソラリネ。さんで、今回の「蝶」も脚本、演出の山下平祐さんの「蝉」でした。  


そこから、兼ねてから熱望していた江本純子作品「事務王1」「渇望」、艶∞ポリス「PARTY PEOPLE」と自慢の演劇作品を経て、2度目の出演です。   


「蝉」は本当に自分にとってのターニングポイントで、役者としての覚悟を問われた作品でもあります。  


その山下平祐さん演出のもと、今回主演を演じるのは楽しみでもあり、怖くもあります。  


かなりの覚悟が必要です。   


サクリファイス」観に来て頂けた方には、伝わるかもしれませんが、自分が演じた正哉という役と、今回の「蝶」の役、何か繋がる物があると感じています。 


 自分の信じたものへの正義というか、何かを犠牲にしてでも手に入れたい、しなければならないことへの執着というか。  


正しいか、正しくないか、それは置いておいても、「何か」を犠牲に人は生きています。   


その「何か」は人によって違います。  恋人だったり、仕事だったり、家族だったり、お金だったり。


この作品は端的に言えば、「母と息子とそれを取り巻く人々の話」です。   


それぞれの人間の狂気と、それぞれの人間の平凡さが不条理に組み合わさった作品です。   


砂漠の中で枯渇した人間が幻覚でオアシスを見るような、そんなぼんやりとした場所を目指して、近づいては消え、また新たなぼんやりが別の場所に見え、また近づいては消えを繰り返してます。そんなもがきを続けています。  


大切な、それは大切な作品です。   


そして、これもまた誰かの人生の小さな歯車を動かせる力のある作品に違いないです。


まとまりのない最後ですが、お時間さえ合えば是非、観に来て頂けたら嬉しいです。   


僕は「鈴」と記載のチームに出ます。詳しくは、Twitterの一番上のツイートから。


チケットは、こちらのフォームもしくはDMやLINEからよろしくお願いします☺︎↓


http://ticket.corich.jp/apply/101157/kjt/